感謝の気持ちが伝わる内祝いってなんだろう
長男を出産したとき、現金書留が届いた。依頼主の欄には祖父の名前があった。一人暮らしの祖父が年金から出してくれた出産祝いだった。かなり高齢であるせいか、字が乱れている。震える手でこの現金書留を書いてくれたのだと思うと、祝い金だけでなくその封筒すらも大切に思え、ずっと保管しておこうと決めたのだった。
そんな祖父に、どんな内祝いを送ったら感謝の気持ちが伝わるだろうか。食べ物を送ったとしても、一人暮らしで高齢の祖父はそれほど消費できないだろう。かと言って、色々な物で溢れかえっている祖父の家に物を送ったところで、使ってもらえない可能性が高い。祖父に喜んでもらえて、なおかつ邪魔にならないもの…。
数か月後、私は祖父と両親を家に招いた。趣味であるパチンコとゲートボール以外は殆ど外に出ない祖父は、両親に連れられて我が家にやってきたものの、少し緊張気味でどこか居心地悪そうだ。そんな祖父の心を紛らわそうと、祖父の大好きな銘柄の日本酒を用意した。そして朝から気合を入れて作った、祖父の好きなブリ大根、里芋の煮物、天ぷら、筍ごはん、酢の物、白菜の漬物をテーブルに並べた。料理上手だった祖母の味とは到底違うかもしれないけれど…。それでも祖父は、「おいしい、おいしい、おばあちゃんのよりおいしいよ」と顔をほころばせて喜んでくれた。そして初ひ孫である長男を抱っこしたり、祖父の昔の話を聞いたり、みんなでトランプをしたりと、たくさん食べて、たくさん笑った。
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帰り際、祖父は「本当に楽しかった、ありがとう」と言って両親と共に帰って行った。祖父のために招いた会だったけれど、みんなが笑顔で私まで幸せな気持ちでいっぱいになった。
私が祖父に内祝いとしてあげたかったもの、そう、それは「思い出」だ。あと何年生きられるかわからない祖父のために、これからは定期的に「思い出」の内祝いをしようと決めたのだった。